日本製鉄は5月19日、2024年4月に販売を開始した高強度ハイパービーム「NSYP385B」の製造シリーズを拡大し、新たに「メガハイパービーム」を追加したと発表した。これにより、同製品のラインナップは従来の19シリーズから49シリーズへと拡充され、フルラインナップが完成した。
NSYP385Bは、熱加工制御圧延法(TMCP)による制御圧延と制御冷却によって、高い強度と靭性を両立させ、溶接性の向上も図っている。設計基準強度(F値)は、外法一定H形鋼として国内最高となる385N/mm2を実現している。
今回のシリーズ拡大により、ウェブ高さ700~1200mm、フランジ幅300~500mmの範囲で製品が揃い、大型物流施設や工場、超高層ビルなどの設計における選択肢が一層広がるとしている。また、NSYP385Bはサステナブル経営推進機構(SuMPO)が認証するエコリーフ環境ラベルを取得済みで、環境負荷の低減にも配慮されている。
日本製鉄は、NSYP385Bのシリーズ拡大により、建設ソリューション「ProStruct」の強化につながるとし、建築物の大型化に伴う部材の高強度化ニーズや、深刻化する人手不足を背景とした工期短縮、CO2排出量削減といった課題への対応が可能になるとしている。特に、新パッケージである「梁ウェブ薄肉化工法」と組み合わせることで、NSYP385Bの高強度や大断面といった特長を最大限に生かした合理的な設計が可能になるということだ。
同社は今後も、国連の持続可能な開発目標(SDGs)に沿った取り組みを推進し、「住み続けられるまちづくりを」をはじめとする社会の発展に貢献していく方針だ。