千葉大学とIceCube Collaborationの両者は4月8日、宇宙ニュートリノの「多重事象」を用いた新しい観測手法と可視光観測を組み合わせたマルチメッセンジャー観測を用いて、超新星爆発などの爆発的天体現象が宇宙にどの程度存在し、爆発的天体現象が宇宙全体の放射エネルギーの総量を担っているのかを調べた結果、高エネルギーの供給源であるための必要条件を明らかにしたと共同で発表した。
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衝撃波との相互作用による超新星(Shock-Interacting Supernova)のイメージ(千葉大がKavli IPMUより提供を受けた画像)。超新星爆発の衝撃波が、爆発前に放出された星周物質と衝突することで、強い電磁波や高エネルギー粒子が放射される(出所:千葉大プレスリリースPDF)
同成果は、430名弱の国内外の研究者が参加する国際共同研究チームのIceCube Collaborationによるもので、千葉大 ハドロン宇宙国際研究センターの清水信宏助教が今回の研究を主導した。詳細は、米天体物理学専門誌「The Astrophysical Journal」に掲載された。
ニュートリノ放射天体は、超高エネルギー宇宙線にエネルギーを供給する天体だ。「IceCubeニュートリノ観測実験」(IC実験)は2011年から観測を開始し、取得したその膨大なデータを解析することで、高エネルギーの宇宙ニュートリノの総量や、宇宙ニュートリノが持つエネルギーの総和が解明されつつある。