市場調査会社Counterpoint Researchによると、2025年第1四半期のDRAM売上高シェアで、SK hynixが36%のシェアを獲得し、Samsung Electronicsの34%を初めて上回りトップシェアを獲得したという。また、3位はMicron Technologyで25%を獲得している。

  • 2025年第1四半期のDRAM売上高シェア

    2025年第1四半期のDRAM売上高シェア (出所:Counterpoint Research)

SK hynixが躍進した背景には、AI半導体を中心に活用が進むHBMで同社がシェア70%を獲得している点が挙げられる。HBMはほかのDRAM製品に比べて、製造難易度が高いこともあり高価ながら、NVIDIAのAI向けGPUの旺盛な需要にけん引されて市場を拡大させており、いち早くNVIDIAに採用された同社が市場で優位な立場に立ったことが、今回のトップシェア獲得につながったとされる。

なお、Counterpointでは、2025年第2四半期のDRAM市場について、セグメントの成長とベンダシェアが同程度になると予想しているが、米国のトランプ大統領が推し進める「相互関税」の影響がHBMに対してどの程度の影響を及ぼすかの判断が難しいともしている。

少なくともAI需要が短期的には堅調に推移することが予想されるほか、AIサーバは定義上、ボーダレスであり、設置場所は米国に限らないことから、関税の影響をすぐに受けるということはあまりないのではないか、との見方を示す一方、長期的には、景気後退や不況を引き起こす可能性のある関税政策がもたらす構造的な課題から、HBM市場の成長に対するリスクが生じる可能性があるとの見方を示している。