DXが浸透するなかで多くのツールが組織に導入されており、部門ごとに高度化・高品質化が図られているが、電通とコンサルティングやイノベーション事業を展開するイグニション・ポイントは昨年12月に行った全国330社(500人規模以上の会社 / 部長クラス以上)を対象にした「営業変革課題に関する実態調査」の一部を発表。調査結果をもとに開発した営業変革の状況を可視化する診断ソリューション「Sales Transformation 診断」の提供も3月26日に開始している。

  • 営業変革の状況を可視化する診断ソリューション「Sales Transformation 診断」。32の診断項目から1パーパス・文化浸透、2組織変革・人財育成、3ナレッジ共有・商品変革、4顧客活動基盤・データ×テック、5顧客戦略、6顧客体験変革マネジメントの大項目を診断し、営業という売上に直結する部署の課題を分析する

営業部門の課題や動向調査からは、ツールと自主提案型営業との関連性も垣間見える。いくつかの傾向を発表しているが、顧客の課題解決に直結しそうな"自主提案型営業"へのリサーチがある。自主提案型営業が実践できている営業部門の特徴は「中長期で目指す営業人財要件、スキルや人物像」を明確に持っていることにあるが、57.6%と多くの企業では明文化/共通認識化ができていない。

  • 中長期で目指す営業人財要件、スキルや人物像が明文化されているか?(同社資料より)

また「データ利活用」や「AI活用」を営業活動に取り込んでいる企業は、自主提案型営業への転換に成功しているというものだ。

  • Q.顧客の要望を受けるだけではない、自主提案型の活動を実装できているか Q.ありたいデータ利活用の姿が描かれており、実現に向けた活動が進められているかの聴取結果をクロス集計(同社資料より)

調査担当者は、基盤の整備やデータ・AIの活用が幅広い企業で取り組みとして進んでいる一方、現場での活用や全社ゴト化には"壁"が存在しており、離職率の高さや自主提案型営業への変革の成否に影響していると述べている。データを起点にすることで、顧客が見過ごしている課題や解決方法を提案する"自主提案型営業"の理想的な姿が浮かび上がるが、導入するだけではなくいかに活用や実践へと結びつけるのか?が重要になるようだ。レポートは、ツール導入状況だけではなく、「人財」「ビジョン」「ナレッジ」など広い視点での営業変革課題の実態を調査している。

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