ispaceは、月面探査プログラム「HAKUTO-R」ミッション2で使用する「RESILIENCE」(レジリエンス)ランダーの着陸日時を、日本時間6月6日午前4時24分に決定。都内で開催された中間報告記者発表会において発表したもので、ミッション2の現状についてもあわせて報告した。

  • 月面探査プログラム「HAKUTO-R」ミッション2で使用する「RESILIENCE」(レジリエンス)ランダー、日本時間6月6日午前4時24分(協定世界時6月5日19時24分)に月面着陸へ。左は、ispace CEO & Founderの袴田武史氏

着陸地点は「氷の海」(Mare Frigoris)の中央付近、北緯60.5度・西経4.6度を予定。現時点でバックアップとする着陸地点候補が3カ所あり、着陸地点ごとに着陸日が異なるため、運用状況に応じて着陸予定日を6月6日午後~8日の範囲で変更する可能性があるという。

  • レジリエンスランダーのモックアップ

同社は今回のミッション2で10段階のマイルストーンを設けており、月着陸船(ランダー)はサクセス5「月フライバイの完了」までクリア。ランダーの状況については、構造、熱制御、推進、誘導航法制御、通信、電力、データ処理の7項目すべてが良好であることを報告した。

現在、ランダーは予定通り低エネルギー遷移軌道を使って深宇宙を航行中。ispaceの運用チームは今後、管制室から軌道制御を行いながらランダーを月へと誘導し、サクセス6に設定されている深宇宙軌道制御マヌーバを、4月24日頃に完了。5月6日頃には月重力圏へ到達し、軌道投入を行ってサクセス7を達成する予定とのこと。

袴田CEOは「レジリエンスランダーの月への旅は1/3に差し掛かったところ。残すマイルストーン5つすべてを達成し、堂々と月に着陸してくれると信じ、従業員一堂全力で取り組む」と意気込みを語った。

  • レジリエンスランダーが月フライバイ後にとらえた、地球の姿

  • 通常ミッション中は非公開となっている、HAKUTO-R Mission Control Center(管制室)も、今回の記者発表会にあわせて披露した