Natureは、電気自動車(EV)の充電用コンセントをIoT化する「Nature EV Switch」を、パナソニックが開始した戸建EV所有者向け「おうちEV充電サービス」へ5月から先行提供。さらに6月頃をメドに「Nature Home」アプリに対応し、自社展開も行っていく。

  • Nature EV Switch

  • Nature EV Switchの設置イメージ

Nature EV Switchは、EV充電用コンセントと接続し、内蔵する4G LTE(LTE-M)通信機能でクラウドシステムと連携して、充電状況のモニタリングやEV充電の最適化を可能にするIoTデバイス。EV充電の利便性向上とエネルギー利用の効率化、さらには電気代削減に寄与するとしている。

防雨型(IP44相当)で、本体サイズと重さは174×87×54mm(縦×横×厚み)/500g、定格電圧/電流は単相AC200V/20A。設置には電気工事と外壁または外構工事が必要。同デバイスを利用するにはEV充電用コンセント(200V)と、ケーブル側に電力制御装置を搭載した充電ケーブル(Mode2)も必要となる。

  • 「おうちEV充電サービス」アプリでの充電管理画面

なお、Natureとパナソニック エレクトリックワークス社は、EV充電のスマート化をめざして2月25日に業務提携契約を締結した。おうちEV充電サービスの運営主体はパナソニックで、専用アプリもパナソニックが提供。Natureは「Nature EV Switch」のハードウェアのみを提供するかたちとなる。

6月頃にNature EV Switchを「Nature Home」アプリへ対応させた後は、Natureが同デバイスを自社展開することも予定しており、正規取扱店やパートナー企業を募集中。Natureが販売するデバイスは、パナソニックのおうちEV充電サービス向けに提供するものとハードウェアのスペックは同等だが型番が異なり、ユーザーはNature Homeアプリを使うかたちとなる。

  • 開発中の「Nature EV Switch」の仕組み

パナソニック「おうちEV充電サービス」の詳細

パナソニック エレクトリックワークス社が2月25日から提供開始した「おうちEV充電サービス」では、無料アプリを通じて家庭の電気代節約をサポートするほか、外出時の充電スポット検索やポイント機能なども提供。「EVユーザーの快適で便利なカーライフと脱炭素社会の実現に寄与する」としている。

具体的には、同サービス用のアプリ上でユーザーに最適な電気料金プランを提案し、電気代節約をサポート。電力会社と提携し、EVユーザー専用の電気料金プランや、ポイント還元プランなどのオリジナルプランを用意した。

さらに、Natureが5月から提供する前出の「Nature EV Switch」と通信し、EVの充電量や電気代を見える化。電気料金が安い時間帯の充電制御を可能にすることで、さらなる電気代節約を可能にする(夜間など特定時間帯が割安になる電気料金プランを契約している場合)。

  • おうちEV充電サービスアプリの画面イメージ

パナソニックのおうちEV充電サービスアプリにはほかにも、自宅以外でEVを充電するときに活用できるEV充電スポット検索機能を装備。アプリのログインやミッション達成でポイントを付与し、貯まったポイントはオンラインショッピングやQR決済のポイントに交換可能だという。

提携した自動車関連企業との協業により、EV乗り換え前後のコストや、車両の下取り価格をシミュレーションする機能も備え、保険会社と提携することで、EV乗り換え前から乗り換え後まで、ユーザーのカーライフをワンストップでサポートするとしている。

パナソニックの自社調査によると、EVの充電場所は自宅が主流で、戸建てEVユーザーの97%が自宅で充電。多くのユーザーがこれによる電気代の増加を体感しており、EV購入前と比べて電気代が約1.2倍以上になったと回答した人の割合は59%に上る。また、契約している電気料金プランを切り替えることで、92%の人が電気代を年間10,000円以上節約していることも分かったとのこと。