有明工業高等専門学校(有明高専)は1月31日、日本の半導体人材育成の強化に向けて、全国51の国立高専との連携、小中高生への早期教育など、多角的なアプローチで、社会が求める半導体技術者を育成することを目的とする「サーキットデザイン教育センター(Circuit Design and Education Center、CDEC(シーデック)」(仮称)を令和7年度初頭に設置する計画であることを発表した。
現在、日本では多くの新規半導体工場の建設、稼働が進められている一方で、半導体産業を支える専門人材の不足が懸念されている。日本政府や業界単体も日本半導体産業の振興に向け、半導体人材の育成に注力する姿勢を見せているほか、有明高専も設計分野に特化した人材育成を強化し、全国51の国立高専と連携して、日本の半導体産業を支える人材育成を目指す取り組みを推進してきている。
CDECは、そうした有明高専がこれまで培ってきた半導体設計人材育成の知見と実績を基盤として設置されるもので、半導体人材育成分野における包括連携に関して協力関係にある東京大学(東大)大学院工学系研究科附属システムデザイン研究センター(d.lab)との連携のもと、全国51の国立高専と連携し、サーキットデザイン教育を推進することで、日本の半導体産業を支える人材育成を目指すとしている。
具体的には、EDAソフトウェアの導入や半導体教育プラットフォームの提供、教材開発、インストラクター育成、ICチップ試作環境および機会の提供など、多岐にわたる教育活動を実施し、高専における半導体教育の質向上を図っていくとしており、こうした取り組みを通じて学生が実践的なスキルを習得し、日本の半導体産業の活性化に貢献できる人材へと成長することを目指すとしている。