ヘッドスプリングは1月16日、SiCをはじめとするパワー半導体市場からの信頼性向上ニーズに対応することを目的として「パワー半導体向け信頼性評価装置」の提供を開始したことを発表した。

さまざまな機器の電動化および電力効率の向上、、再生可能エネルギーの活用など、パワー半導体の需要は増加傾向にあり、自動車分野などでは従来以上の信頼性やパッケージの熱特性に関する長期的な評価などが求められるようになっている。今回、同社が販売を開始したパワー半導体向け信頼性評価装置は、主にそうした自動車向けIGBTやSiCパワーデバイスに要求される信頼性評価を行うことを目的としたもので、AEC-Q101やAQG324、JESD22などといったさまざまな信頼性規格に準拠した試験が可能な点が特徴だという。

以下の試験項目に対応する車載用半導体が直面する過酷な条件下での信頼性を正確かつ効率的に評価するために設計された装置をラインアップしており、これらを活用することで、デバイスの長期耐久性や厳しい環境への適応性を検証し、車載用途での採用可否を判断する上で重要なデータを得ることができるようになるとするほか、車載用半導体の品質向上を支援し、信頼性確保に向けた最適なソリューションを実現することができるようになるともしている。

  • 高温逆バイアス試験
  • 動的逆バイアス試験
  • 動的高温順バイアス試験
  • 高温ゲートバイアス試験
  • 動的高温高湿逆バイアス試験
  • パワーサイクル試験
  • 高温高湿逆バイアス試験
  • 高温順バイアス試験

なお、同社ではこれらの評価装置のスムーズな導入に向けた支援として、専門知識を持つ技術者による包括的なユーザーサポートを提供するとしているほか、信頼性評価装置を保有していない顧客向けに、単一の装置で実施する評価試験に加え、複数項目の試験実施、規格に準拠した試験の実施、また提携機関と連携した物理解析を含め、信頼性評価の全工程を一括して提供するワンストップサービスの提供も行っていくとしており、こうしたサービスを顧客に活用してもらうことで、評価プロセスの簡略化や、効率的かつ高品質な試験結果の提供につなげていきたいとしている。

  • 半導体評価装置の外観

    半導体評価装置の外観 (提供:ヘッドスプリング)