NVIDIAが2025年に登場予定の「Blackwell Ultra」について、製品名を「B300シリーズ」へと変更した模様だと台湾TrendForceが報じている。
Blackwell Ultraは元々「B200 Ultra」や「GB200 Ultra」のように従来のBlackwellシリーズ製品(B200やGB200)にUltraの名前を関するとされていたが、今回の措置によりB200 UltraはB300へ、GB200 UltraはGB300へ、B200A UltraはB300A、GB200A UltraはGB300Aへと変更され、2024年第4四半期から2025年第1四半期にかけて生産が開始され、2025年第2四半期から第3四半期にかけて発売される予定だとTrendForceでは予測している。
また、現在NVIDIAはNVLinkを活用したラックスケールソリューション「NVL」に注力しており、特に72基のGPUで構成されるNVL72のシステムパフォーマンスの最適化と液冷についてサーバプロバイダの支援を進めている。こうした取り組みもあり、出荷品目としてもハイエンドGPU製品が拡大すると見られ、2024年の全体出荷シェアのうち50%ほどに達すると予測されるほか、Blackwellプラットフォームの浸透により、2025年には65%までその比率が高まると予測されるという。
NVIDIAのハイエンドGPUがTSMCのCoWoS需要を後押し
TrendForceは、こうしたNVIDIAのハイエンドGPUへの注力はTSMCのCoWoSの需要の後押しになっていると指摘している。Blackwellの普及に伴い、2024年におけるCoWoSの需要は前年比で10%以上の増加が予測されるとするほか、CoWoS-Lを活用したB300/GB300を北米の主要クラウドサービスプロバイダに供給することに注力する可能性があり、さらに需要を後押しすることが期待できるという。
また、Blackwell Ultraではすべてのモデルが12層HBMが搭載される予定で、TrendForceの予測では2025年の世界のHBM市場の70%以上をNVIDIAが占めるとするほか、毎年10%以上の伸びを今後も示すことが期待されるとしている。ただし、B300シリーズはNVIDIAにとって、12層HBMを用いた最初の量産品となることから、サプライヤのプロセス改良による生産量の安定化などを進めるのに少なくとも2四半期はかかると見られるともしている。