STマイクロエレクトロニクス(STMicroelectronics)は9月24日、同社の第4世代 STPOWER SiCパワーMOSFETを発表した。
同技術は、車載機器および産業機器市場のニーズに対応する電力効率、電力密度、および堅牢性の向上を実現しており、特に電気自動車(EV)パワートレインの主要コンポーネントであるトラクションインバータに最適化されているという。
750Vおよび1200V耐圧製品が提供される予定で、すでに750V耐圧品は品質認定を完了済みとする一方、1200V耐圧品については、品質認定は2025年第1四半期に完了する見込みで、その後、定格電圧750V/1200V製品の提供を開始する予定としている。同社では、標準AC電源電圧で動作するものから高電圧EVバッテリ/チャージャまで、幅広いアプリケーションに使用することができ、400V/800V EVバスのトラクションインバータの高効率・高性能化に貢献することで、マスマーケットへの普及の鍵を握る中小型EVにもSiCのメリットを提供することができるようになるとしている。
なお、同社では、イノベーションへの取り組みとして、2027年に向けた今後3年間にわたってパワー半導体技術の進展および、複数の革新的なSiC技術の開発を並行して進めていくとしており、第5世代のSiCパワーMOSFETには、プレーナ構造をベースにした高電力密度技術を採用する予定とするほか、既存のSiC技術と比べてさらにオン抵抗を低減させ、特に高温動作時において低いオン抵抗(RDS(on))値を実現する抜本的な技術革新に向けた開発も進めていると説明している。