onsemiは6月11日(米国時間)、同社第7世代IGBTモジュールとなる「1200V QDual3」を発表した。

同パワーモジュールは、第7世代となる「FS7(Field Stop 7)」IGBT技術をベースにして開発されたもので、1200V、800Aに対応。150kWインバータにおいて競合製品比で損失を200W少なくでき、ヒートシンクサイズの縮小を可能とするという。また、過酷な条件下でも動作するように設計されていることから、ソーラーファーム、エネルギー貯蔵システム(ESS)、商用農業用車両(CAV)、産業用モータドライブなどといった高電力コンバータへの適用も可能だとしている。

用途に応じた「NXH800H120L7QDSG」と「SNXH800H120L7QDSG」の2製品を用意。いずれも第7世代のトレンチフィールドストップIGBTとダイオード技術を統合した800Aハーフブリッジ構成を備え、高度なパッケージング技術を用いた設計の採用により、スイッチング損失と導通損失を低減したとするほか、FS7技術により、ダイサイズを従来比で30%縮小しており、モジュールあたりのダイの数を増やすことができるようになったことから、電力密度を向上させ、最大800A以上の最大電流容量を実現するとしている。

また、IGBT Vce(sat)が1.75V(175℃)と低く、Eoffも低いため、800Aのモジュールであってもエネルギー損失は従来ソリューション比で10%低減できるとしているほか、従来の600Aモジュールソリューションと比べてモジュールの数を削減できるため、システム設計の簡素化が可能となり、トータルコストの低減を図ることもできるようになるとしている。さらに、車載アプリケーションに要求される厳しい規格にも適合しているとする。

なお、2製品ともにすでに量産済みで入手可能な状態となっている。

  • 1200V QDual3 IGBTモジュールの外観

    1200V QDual3 IGBTモジュールの外観 (提供:onsemi)