Analog Devices(ADI)は2月22日(米国時間)、TSMCと特別な契約を締結し、TSMCが株式の大半を所有する(残りはソニーセミコンダクタソリューションズ、デンソー、トヨタ自動車が所有)する熊本県の製造子会社「Japan Advanced Semiconductor Manufacturing(JASM)」を通じて、40nm以降の微細プロセスを採用したデバイスの長期供給を受けることを決めたと発表した。

ADIでは、TSMCとの30年以上にわたるパートナーシップを基盤に、ワイヤレス・バッテリ・マネージメント・システム(wBMS)やギガビット・マルチメディア・シリアル・リンク(GMSL)アプリケーションなど、ADIの重要な事業に対応するファインピッチ技術ノードの生産能力を確保するための新たな選択肢が加わることになると説明している。

また、この協業は、ADIの世界規模の柔軟性を持たせた製造ネットワークを強化するもので、外部要因の影響を遮断し、世界15か国にまたがる10の自社工場と50の製造委託工場を柔軟の使い分ける戦略の一環であり、顧客ニーズに応じた生産量の増加と迅速に生産能力を拡大する戦略を後押しすることになるとも説明している。

ADIのグローバル・オペレーション&テクノロジー担当エグゼクティブ・バイス・プレジデントであるVivek Jain(ヴィヴェック・ジェイン)氏は、「ADIの自社工場とファウンドリを使い分けるハイブリッド製造ネットワークは、顧客の競争力を高めることに寄与する。TSMCと協力することで、よりレジリエントな供給によって顧客をサポートし、顧客のニーズや市場環境の変化にさらに迅速に対応し、社会と地球にプラスとなる革新的な製造ソリューションに当社の投資を集中させることができるようになる」と述べている。一方のTSMC North Americaの事業開発担当エグゼクティブ・バイス・プレジデントであるSajiv Dalal氏は、「今回の発表は、TSMCの顧客が長期的な生産能力のニーズに応えられるよう支援するというTSMCのコミットメントを示すものである。ADIとの継続的な協業関係を拡大することで、堅固な製造能力を備えた半導体イノベーションの堅実かつダイナミックな歩みを確実なものにできることを嬉しく思う」と述べている。