東北大学は、2021年より毎年開催してきた量子コンピューティングに関する公開講座「量子コンピューティング公開伴走型生配信授業 Quantum Computing for You, 2nd Chance! (QC4U2)」を2024年も2月2日から高校生、高専生、大学学部生、大学院生や社会人といった学内外の人に向けて開催することを公表した。今回の量子コンピューティング公開講座は、公開型の講義と企画編、そして卒業試験の3編で構成される予定だ。

この量子コンピューティング公開講座の講師を務めるのは、東北大大学院 情報科学研究科情報基盤科学学専攻の大関真之教授だ。大関教授は「昨年も実施した当該公開講座を通して、大学の学部生と大学院生だけではなく、高校生、高専生、社会人と学ぶ意思があるすべての者に対して、量子コンピュータのアプリケーション作成と社会実装の基本を教えたい」と意気込みを語る。また、「その特徴は“公開伴走型生配信授業”という講義内容にある」と力説する。

この公開講座は、「東北大学量子ソリューション拠点」が共催する形での開催となる。講座は大きく、講義編と企画編で構成される予定。講義は2月2日(金)、2月9日(金)、 2月16日(金)、2月23日(金)、3月1日(金)、3月8日(金)の予定で、企画編はグループワーク形式であり3月16日(土)と3月23日(土)に実施する予定だ。そして、この公開講座の特徴である“卒業試験”が5月に実施される予定で、「卒業試験を通して、学習の達成度を確認する点が大きな特徴だ」という。

東北大学は今年8月ごろに、卓越大学院の第一号に選ばれる予定だ。卓越大学院で学ぶ大学院生が、優れた解析能力を持ち、新規の知見を明らかにするためには、量子コンピューティングによる解析能力が不可欠になる可能性も高い。例えば、今年4月に稼働する新型放射光施設「ナノテラス」でも、精密測定によって得られたデータ群を、詳細に解析することが不可欠となる。この際に、量子コンピューティングによる解析が求められる可能性もあり、その利用法の拡充を図っていく模様だ。

  • 「量子コンピューティング公開伴走型生配信授業 Quantum Computing for You, 2nd Chance! (QC4U2)」

    「量子コンピューティング公開伴走型生配信授業 Quantum Computing for You, 2nd Chance! (QC4U2)」のイベント概要と受講対象者 (出所:東北大学)

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