宇宙航空研究開発機構(JAXA)は1月15日、小型月着陸実証機「SLIM」の月周回軌道投入以降の運用結果や今後の計画を踏まえて着陸降下への準備が整ったことを確認し、1月10日に着陸降下準備フェーズへ移行することを決定。1月14日17時32分(日本標準時、以下すべて同様)に遠月点降下マヌーバを行い、月から高度約600kmの円軌道に予定通り投入したことを確認したと発表した。

  • 月面着陸に挑む小型月着陸実証機「SLIM」

    月面着陸に挑む小型月着陸実証機「SLIM」 (C)JAXA

SLIMは、月への100mオーダーという高精度着陸技術の実証と、軽量な月惑星探査システムの実現による月惑星探査の高頻度化の2つの実現を目指して実施されているミッション。特にピンポイント着陸は、2000年代に打ち上げられた月周回衛星が撮影した高解像度な画像をもとに、月のどこにあるどういった岩石にアプローチしたいといった研究者ニーズに応えることを可能とする技術で、今後の月の水探査における、太陽光が1年を通してまったく当たらない永久影の境目に降り立つためにも実用化が求められている技術となる。

今後のスケジュールとしては、近月点降下マヌーバが実施され、1月19日22:40ごろに近月点を高度15kmまで低下させる予定で、その後、1月20日午前0:00ごろに着陸降下を開始、同0:20に月面へと着陸する予定となっている。

  • 月面着陸に向けたスケジュール

    月面着陸に向けたスケジュール (C)JAXA

なお、JAXAでは、1月19日23:00よりJAXA相模原キャンパスにて月面着陸の運用を行ってる様子をJAXA YouTube公式チャンネル「JAXA Channel」にてライブ配信する予定としている