宇宙航空研究開発機構(JAXA)は12月28日、日本の次期基幹ロケット「H3」の試験機2号機の打ち上げを2024年2月15日に計画していることを発表した。

試験機2号機は、LE-9エンジン2基、固体ロケットブースタ(SRB-3)2本、ショートフェアリングの機体形態(H3022S)を採用。ペイロードとしては、H3ロケット試験機1号機の失敗を踏まえたロケット性能確認用ペイロード(VEP-4:Vehicle Evaluation Payload-4)が搭載されるほか、小型副衛星(CE-SAT-IE)および小型副衛星(TIRSAT)が相乗りとして搭載され、こちらは軌道投入を実施する予定だという。

  • H3ロケット(H3-22S)のイメージ

    H3ロケット(H3-22S)のイメージ (C)JAXA

VEP-4は、H3ロケット試験機1号機に搭載されていた先進光学衛星(ALOS-3)と同等の質量特性を持たせたダミーウェイト。小型副衛星は、CE-SAT-IE(シー・イ ー・サット・ワン・イー)がキヤノン電子製の50cm×50cm×80cm、質量70kgの超小型衛星。地上解像度0.8m GSD(Ground sample distance)の静止画、8K動画の撮影を新型の検出器を用いて行うを主目的としている。一方のTIRSAT(ティー・アイ・アール・サット)は、宇宙システム開発利用推進機構、セーレン、ビジョンセンシング、アークエッジ・スペースらが開発した12cm×12cm×38cm、質量5kgほどの超小型衛星。経済産業省が開発を進めてきた非冷却熱赤外センサと超小型衛星バスを採用した熱赤外超小型衛星という位置づけで、熱赤外センサを用いて世界の主要生産地にある工場などの熱源を感知し、稼働状況を推定することを主目的としている。

なお、打ち上げ予定時間帯は9時22分55秒~13時6分34秒(日本標準時)で、打ち上げ場所は種子島宇宙センター 大型ロケット発射場となる。また、打ち上げ予備期間は2024年2月16日~3月31日としている。