Lattice Semiconductorは現地時間の12月5日より12月7日まで、ハイブリッド形式で「Lattice Developers Conference 23」を開催している(Photo01)。
これは同社としては初のDevelopers Conferenceになるが、そもそもこの5年の間にXilinxがAMDに買収されてしまった結果として同社は独立系FPGAのトップベンダーになってしまっており、それもあってかこの5年間で同社のエコシステムパートナーは5倍に増えた(Photo02)そうである。ちなみにこのLattice Developers Conference 23は登録(無料)さえすれば、だれでもオンデマンドの形で視聴可能となっている。
さて、そのDevelopers Conferenceの基調講演(Photo03)で新しく発表されたのがTSMCの16nm FinFETプロセスを採用したAvantシリーズの第2・3弾である「Avant-G」と「Avant-X」(Photo04)である。これに関する説明が日本法人のラティスセミコンダクターよりあったので、この内容をご紹介したい。
Lattice Avantは同社としては初のミッドレンジ向けFPGAという位置づけであり、第1弾は2022年12月5日に発表された。最初のシリーズはEdge向けとなる「Avant-E」であるが、今回追加されたのは汎用向けのAvant-Gと、よりコネクティビティを強化したAvant-Xである。
Avant-XはAvant-Eに12.5GのSerDesを最大28ch追加、メモリアクセス性能を向上させた他にPCIe Gen3や10G EthernetなどのHard IPを搭載させたことで、より広範な用途に利用できるようにした製品(Photo05,06)。
一方Avant-XはそのSerDesをさらに強化、より帯域が必要な用途向けという位置づけになっている(Photo07,08)。
実のところスペックシートを見比べてみると、Avant-E/-G/-Xとも、FPGA Fabricのスペックは完全に同一になっており、相違点はSerDesやHard IPのみとなっている。Photo09がAvant-G、Photo10がAvant-Xのスペック一覧であるが、FPGAのセル数もEBR(Embedded Block RAM)の容量も、DSPの数も全く同等である(これはAvant-Eも同じ)。
そのため相違点は以下のような通りといったあたりで、あとはSerDesの違いという形だ。
- メモリのサポート:Avant-EはDDR4/LPDDR4-1866まで。Avant-GはDDR4/LPDDR4-2400まで。Avant-XはDDR4/LPDDR4-2400に加え、DDR5-2100もサポート。
- Secutiry:Avant-Eにはセキュリティ機能が無いが、Avant-Gにはbitstream encryption and authenticationの機能が、Avant-Gにはこれに加えてAdvanced user security functionsなるものが追加されている。
ちなみにソフトウェアサポートであるが、Lattice RadiantおよびLattice Propelは12月6日付でAvant-G/-X対応バージョンをリリース済(Photo11)。
また今回の発表に合わせ、sensAI/mVision/Sentry/Automationの各Solution StackもUpdateされている(Photo12)。
なおDeveloper Conferenceの基調講演では、実際に25G SerDesの動作デモ(Photo13)や、顔認識を利用した産業向けの安全機能のデモ(Photo14,15)、動作時の消費電力の比較(Photo16,17)、Fast Bootのデモ(Photo18,19)などが示されている。
Avant-G/-XはすでにEarly Adapterへのサンプル出荷を開始中であり、評価用ボードもすでに準備されている(Photo20)。