ヤマトホールディングスは11月16日、「KURONEKO Innovation Fund」を通じて、光半導体技術を活用したICチップ型LiDARを開発する米・SiLC Technologies(シルクテクノロジーズ)に追加出資を実行したことを発表した。

SiLC Technologiesは、レーザ光を対象物に照射してその反射光を観測することで、対象物までの距離やその瞬間速度などを精緻に計測できる光半導体技術を活用し、ICチップ型LiDARを開発。同製品は、センサ性能やICチップ統合技術、製造ノウハウの面で高い競合優位性を誇るという。

また同社は、こうした技術を搭載したサンプル製品「Eyeonic Vision Sensor」を生産し、幅広い産業の顧客に向けて提供を開始したとのこと。監視カメラ、産業用ロボット、自動運転やADAS(先進運転支援システム)、AR/VR用のコンシューマデバイスなど、さまざまな分野への適用が期待されているとする。

  • 「Eyeonic Vision Sensor」イメージ

    SiLC Technologiesのサンプル製品「Eyeonic Vision Sensor」イメージ(出所:ヤマトホールディングス)

一方のヤマトホールディングスは、物流業界やサプライチェーンなどにおけるDXを推進する革新的な技術・ビジネスモデルを有するスタートアップとの連携を活発化させるため、コーポレートベンチャーキャピタルファンド(CVCファンド)としてKURONEKO Innovation Fundを2020年に設立している。

同ファンドでは2021年、SiLC Technologiesへの出資を実行したことを発表済みだ。そして今回、同社の技術の汎用性や対象市場の広範さ、高い競合優位性などを改めて評価し、追加出資を実行した。ヤマトホールディングスは今後、グループ会社全体の取り組みにSiLC Technologiesの技術の導入を進めていくとしている。