ルネサス エレクトロニクスは11月8日、車載デジタルプロセッシング領域アプリケーションに向けた次世代車載用SoCとマイコンのロードマップを公開した。
SoCは第5世代R-Carに位置づけられるもので、チップレット技術を採用することで、ユースケースごとのさまざまな要件に合わせてカスタマイズ可能なプラットフォームとなることが計画されているとする。ベースとなるプロセッサについても、ハイエンドからエントリーモデルまで複数用意される予定で、AIアクセラレータやパートナー、顧客企業などの有するIPを1パッケージに収めることを可能とし、ユーザーごとにフレキシブルにハイエンドからローエンドまでニーズに合わせたカスタマイズ製品を提供するとしている。
また、次世代の車載マイコンとしては、従来のマイコンの流れをくむシリーズに加え、新たにSoCとマイコンの間の次世代E/Eアーキテクチャのドメインおよびゾーンコントロール(ECU)に必要な性能を実現するArmコアと不揮発性メモリを搭載した「クロスオーバーマイコン」が追加されることになるという。さらに、Armコアを採用した32ビット車両制御用マイコンも追加される予定で、同社ではハイエンドのSoCからローエンドのマイコンまで、エンドツーエンドの完全なスケーラビリティを提供し、ソフトウェアの再利用性を向上させるとしている。
このほか、自動車業界のシフトレフトアプローチに沿った仮想ソフトウェア開発環境も提供される予定としており、これを使うことで、ユーザーは実チップが手元にまだ届いていない段階から、次世代デバイス用ソフトウェアの開発を進めることが可能になるとしており、2024年第1四半期より第5世代R-Carプラットフォームに向けた仮想ソフトウェア開発環境を順次提供していくだという。
なお、ルネサスでは今回公開したロードマップに沿って、2024年以降、新製品を順次リリースしていく予定だとしている。