ロームはアナログICの生産能力強化を目的に、マレーシアの製造子会社であるROHM-Wako Electronics (Malaysia)(RWEM)に新棟を建設し、竣工式を執り行ったことを発表した。

  • 竣工式の様子

    竣工式の様子(出所:ローム)

これまでRWEMでは、ダイオードやLEDなど小信号デバイスを中心に生産してきたが、新棟ではアナログICの注力商品の1つである絶縁ゲートドライバの生産を予定しているという。

絶縁ゲートドライバは、IGBTやSiCといったパワー半導体を最適に駆動させるためのICで、電気自動車や産業機器の省エネルギー化、小型化を実現する上で重要な役割を果たすとし、需要の拡大が期待されている。

今回、生産能力の強化を図るとともに、リスクマネジメントの一種である事業継続マネジメント(BCM)の観点から、アナログIC生産工場の多拠点化を推進することを目的にRWEMとして初めてのIC生産に着手することを決めたとした。

  • RWEM新棟の外観画像

    RWEM新棟の外観画像(出所:ローム)

また新棟には、さまざまな省エネルギー技術を用いた設備を導入することで、従来比でCO2の排出量を約15%削減できるよう環境負荷軽減に努めるとともに、最新の災害対策を導入することで、BCM体制の強化を図ったとしている。今後、製造装置の導入を進めていき2024年10月に稼働開始を予定しており、本格稼働に伴いRWEM全体の生産能力は最終的に約1.5倍になる見込みだという。

なお、ロームグループは今後も市場の状況をとらえながら、中期経営計画に基づいた生産能力の強化を進めたいとしている。