宇宙航空研究開発機構(JAXA)ならびに三菱重工業(MHI)は、延期していたJAXAの「X線分光撮像衛星(XRISM)」および「小型月着陸実証機(SLIM)」打ち上げ予定日を2023年8月26日に決定したと発表した。
発射場は種子島宇宙センター 大型ロケット発射場で、H-IIAロケット47号機に搭載され打ち上げられる。打ち上げ予定時刻は午前9時34分57秒(日本標準時)。打ち上げ予備期間としては、8月27日~9月15日までが予定されており、予備期間中の打ち上げ時刻は打ち上げ日ごとに設定するとしている。
XRISMおよびSLIMは、2023年度初めの打ち上げを予定していたが、2023年3月に発生したH3ロケット試験機1号機の打ち上げ失敗の原因が、H-IIAロケットにも潜んでいる可能性があり、その調査の必要性から、新たな月軌道投入可能期間である2023年8月以降へと延期されていた。
この間、H3ロケットの打ち上げ失敗原因の調査も進展。H-IIAとは9つの共通要因があったが、それぞれに対策が施され、問題を排除できたこともあり、打ち上げが決定された模様である。
なお、SLIMには「LEV」(Lunar Excursion Vehicle)と呼ばれる2機の小型ローバーも搭載され、中央大学、東京農工大学、和歌山大学などが開発に参加した「LEV-1」は、月面でジャンプして移動することを目指すほか、地球との直接通信を目指すとしている。一方の「LEV-2」はタカラトミー、ソニーグループ、同志社大学が開発に参加した小型ローバーで「SORA-Q」の愛称でも知られている。野球ボールほどの大きさの球体が月面に着地した後に変形し、「クロール走行」と「バタフライ走行」という2つの走行モードで月面を走行する予定となっている。