NECとCARTA COMMUNICATIONS(CCI)は6月30日、AIを活用した広告考査支援に向けた実証実験を2023年7月より開始すると発表した。

今回の実証実験では、広告の出稿時に発生する広告考査業務の支援に関連した実証が行われる。NECはAI開発や放送システムの知見を、CCIはデジタル広告考査の知見を提供する。具体的には、「広告主体者などの必須ワードや、最大級表現などのNGワードの表記に関するテキスト考査支援」「企業/商品ロゴやキャラクター識別の考査支援」「広告画像の枠線検出の考査支援」を実証するという。

両社は今後、複数の実証実験などを実施し、2025年度中に広告考査支援システムの実用化を目指す。なお、2023年3月には同システムに関する共同特許を出願しているという。

  • NECとCCIの知見を活用した広告考査支援システムのイメージ

    NECとCCIの知見を活用した広告考査支援システムのイメージ

広告考査では、CM映像やバナー広告などの広告素材が、「不当景品類及び不当表示防止法」や「医薬品、医療機器等の品質、有効性及び安全性の確保等に関する法律」などの法規制、各種業界団体が定めた自主規制、広告を掲載する媒体が独自に定めた規定に準拠しているか、広告代理店・媒体社が確認する。

従来の広告考査業務では多くの場合、考査基準を基にして目視による広告素材の確認が行われている。しかし、デジタル広告の需要増に伴って広告審査数も増加しており、作業者の膨大な負担や作業者自体の人手不足が課題となっている。そうした課題の解決に向けて、両社は今回の実証実験とシステム開発に取り組むという。