オンセミは、包括的ブランド「FORVIA」のもとで事業を展開する自動車部品サプライヤのHELLA(ヘラー)に、10億個目の誘導型センサインタフェース集積回路(IC)を出荷したことを発表した。

両社は25年にわたる協業を通じて、HELLAのモジュールとオンセミのICの両方を小型化し、モジュールサイズに対する要求が厳しいアプリケーションに適合する設計手法を開発してきたとする。なお、オンセミが設計するICは、HELLAの車載用X-by-Wireシステム向け非接触誘導型位置センサ(CIPOS)技術に使用されているという。

CIPOSは、自動車におけるアクセルペダルの検知、ステアリング、トルクセンサなどのドライブバイワイヤシステムや、昇圧およびターボ用アクチュエータに使用される誘導技術で、オンセミが設計したICは、HELLAのソリューションにおける中心的エレメントとして、接続されたコイル構造とともに誘導型位置センサを形成している。オンセミは、CIPOSは浮遊磁界の影響をまったく受けないため、電動化を推進する自動車業界にとって重要な役割を果たすとする。

HELLAのセンサ事業分野の責任者であるMarco Dobrich氏は、「オンセミのICの品質レベルは傑出しており、同社との間で将来を見据えたキャパシティプランニングを立てることで、厳しい市場で先を見通しながら機敏に対応できるようになるだろう」と見通しを述べる。

オンセミは、HELLAに3世代にわたって誘導型ポジショニングインタフェースを供給してきたとしたうえで、すでに第4世代の誘導型位置センサ技術に取り組んでいる。そして今後、業界が完全自動運転に近づくため、特に自動車安全水準(ASIL-x)の領域において、システムレベルでの改善を行うとしている。