4月26日未明、ispaceの月面探査プログラム「HAKUTO-R」ミッション1ランダーが月面着陸シーケンスに挑戦したものの、着陸直前となってランダーとの通信が途絶え、月面着陸を確認することはできていない状態にあることが明らかとなった。
ispace代表取締役CEOの袴田武史氏は、今後同社のエンジニアたちによって調査が続けられるとしている。
HAKUTO-Rミッション1ランダーは、2022年12月11日にスペースXのロケット「Falcon 9」に搭載される形で打ち上げが実施された。その後は順調に飛行を続け、2023年3月21日には月を周回する楕円軌道への投入に成功。そして4月14日には、すべての月軌道制御マヌーバを完了し、10段階のマイルストーンのうち8段階目(「Success8」)までを終えていた。
同機は4月26日午前0時40分ごろ(日本時間)に円軌道からの降下を開始し、自動制御による速度低下などを経て、同日午前1時40分に月面へと着陸する予定だった。着陸予定時刻に至るまでの運用は順調に進んでおり、着陸直前までランダーと地上との通信は確立できていたものの、午前2時8分時点で通信の確立ができておらず、月面に着陸できたかどうかの確認ができていない状況にあるという。
なお、HAKUTO-Rミッション1のマイルストーンにおいて月面着陸完了はSuccess9にあたり、ランダーの各種状態確認や月面での安定した通信と電力供給の確立、および顧客のペイロード運用を行うことで達成されるSuccess10までが予定されている。