リミニストリートは4月25日、30代~70代のIT担当者500名に実施した「S/4 HANAを活用したDXに関する実態調査」の結果を発表した。「SAP S/4 HANA」は、インメモリデータベース「SAP HANA」をプラットフォームとしているSAPのERPソリューション。

「S/4 HANAを導入している」または「導入を検討している」というIT担当者の内、52.4%がS/4 HANAへの移行のきっかけを「DX(デジタルトランスフォーメーション)やビジネス戦略として必要性を感じたため」と回答した。  

  • S/4 HANAへの移行のきっかけ 引用:S/4 HANAを活用したDXに関する実態調査(リミニストリート)

また、DXを期待して導入した企業のIT担当者のうち95.7%がその効果を期待通りと回答しており、性能面におけるS/4 HANAへの評価が高いことが判明した。

このように導入企業によるS/4 HANAへの評価は高い一方で、S/4 HANAを導入した後に実際に感じている課題において、保守・運用費については86.0%、S/4 HANAを運用する人材不足については80.0%のIT担当者が課題を感じているという結果になった。

加えて、SAPサポートにおける対応のスピードに対して課題を感じているIT担当者は63.4%、SAPサポートのクオリティに課題を感じているIT担当者は54.7%となり、約6割のIT担当者が運用面における課題を実感しているという。

さらに、「あなたのお勤めの会社では、DXを実施するにあたり社内で最もネックになっているポイントは何ですか」という質問に対しては、1位は人材不足(44.2%)となった。2位は「DXに割ける予算が少ない」(12.8%)となっている。

  • あなたのお勤めの会社では、DXを実施するにあたり社内で最もネックになっているポイントは何ですか 引用:S/4 HANAを活用したDXに関する実態調査(リミニストリート)

このことから、DX推進のためにS/4 HANAを導入している企業のIT担当者は9割以上が性能面を期待通りと実感している一方で、DXを推進していくために必要な予算やIT人材に課題があることが浮き彫りになった。