SiC/GaNパワー半導体ベンダのNavitas Semiconductorは、2022年の売上高が前年比60%増の3790万ドルとなったことを発表した。ただし、この数値には、SiCパワー半導体メーカーである米GeneSiC Semiconductorの買収によるGeneSiCの売り上げ分も含まれていることに注意が必要である。
Navitasは、2022年のハイライトとして、10を超す路上充電器を手掛ける顧客がSiC製品を採用。その結果、Electrify AmericaやEVgoなどを含む米国の路上充電器の50%以上に組み込まれることとなったとしている。また、General Motors(GM)やBYD、メルセデスなどの主要顧客と車載SiC充電器の開発や生産も進めているとするほか、中国の吉利汽車(Geely Automobile)と共同電気自動車(EV)デザインセンターを開設したとする。
さらに、太陽光/蓄電池向けSiCデバイス向け顧客としては、AP Systems、Power Electronics、Chint、Growatt、Sungrow、BYDなど合計20社を超える主要顧客に対して生産または開発を行っているとするほか、家電/産業機器向けに関しては、45以上の顧客プロジェクトが進行。データセンター関連については、10件の顧客プロジェクトが進んでおり、すべてのプロジェクトが2023年後半または2024年初頭の本番稼働を計画しているとする。
このほか、モバイルに関しては、XiaomiのRedmi Note 12用210W GaNFast(NavitasのGaNソリューション名)充電器 を含む(Samsung、OPPO、Lenovo、Dell、Ankerなどとの)約100ほどの新しいGaN高速および超高速充電器設計が進んでいるとしている。
なお、Navitasでは持続可能性、省エネルギーおよび自動車の電化などを背景に、パワー半導体のSiからGaNおよびSiCへの移行を推進する世界的なトレンドが生じており、それが追い風となると見ており、2023年第1四半期の売上高は前期比でほぼ横ばいとなるとしているものの、2023年通年では前年比で85%増と高い成長率を予想している(アナログおよび電源管理ICを得意とする米Halo Microelectronicsの買収手続きは数か月以内に完了する見込みで、このHaloの売上高が加算されることも背景にはある)。