GaNパワーデバイス市場は、2021年の1.26億ドル規模から、今後、年平均成長率(CAGR)59%で成長し、2027年には20億ドルに達するとの予測を市場調査会社である仏Yole Group(子会社統合により、Yole Développementから社名変更)が発表した。

市場をけん引するのは、民生用電源、データコム/テレコム、および自動車としており、中でも民生向けGaN急速充電器が現在、携帯電話市場向けに成長しているとする。2020年以降、米国のPower Integrations、Navitas Semiconductor、GaN Systemsなどの製品を搭載した小型急速充電器の販売数量が急増しているほか、8インチGaN製造に特化した中Innoscienceも同市場に参入するなど、活況を呈している。そのため、こうした民生向け電源市場は、CAGR52%で成長を続け、2027年には9.16億ドル規模に成長するとYoleは予測している。

  • GaNパワーデバイス市場予測

    2021年および2027年のGaNパワーデバイス市場規模のアプリケーション別内訳 (出所:Yole Group)

一方のデータコム/テレコム市場は、電力効率の観点から中期的に普及が進むと予想している。特に、データセンターにおける48V-Point-Of-Load(48Vから直接POLへの電圧変換)システムの採用が進むにつれ、低電圧アプリケーションでの活用が期待されるという。こうした分野には、Transphorm、EPC、Texas Instruments、Infineon Technologies、GaN Systemsなどに納入実績があるが、今後もCAGR69%で成長し、2027年には6.18億ドル規模になるとYoleは予想している。

車載向けGaNパワーデバイス市場は、2021年は530万ドルであったが、自動車の電気/電子(E/E)化が急速に進んでいくことから、CAGR99%で成長し、2027年には2億2700万ドル規模に拡大することを予想している。中でも車載DC-DCコンバーターならびにオンボード充電器(OBC)が、次の成長の波に乗るとみられる。