伊藤忠テクノソリューションズ(CTC)は3月1日、イスラエルのASOCS(エイソックス)と販売代理店契約を締結し、ローカル5G(第5世代移動通信システム)の基地局を構築するソフトウェア製品である「CYRUS(サイラス)」を提供開始した。価格は1100万円から、サブスクリプション型で提供する。

  • サイラス ローカル5Gの機器構成

新製品は、基地局を構成するDU(無線信号処理部)とCU(データ処理部)の機能を餅、汎用サーバで構築した仮想マシン上で動作するというソフトウェア製品。用途に応じて汎用サーバを調達し、ネットワークの規模に合わせて柔軟なサイジングを行うことで、導入コストと運用コストを低減できる。

同製品のソフトウェアライセンスは利用規模に応じた課金体系となっているため、利用者の増加やエリア拡大に従ってシステムを容易に拡張し、運用コストの最適化を図ることができるとしている。

また同製品はOpen RANに準拠しており、無線アクセス・ネットワークを担うRANの仕様を標準化しているという。インターフェースを共通化しているため、エイソックス製品以外のRU(無線装置)との相互接続が可能となり、用途に応じて柔軟な構成を選択できるとのこと。CTCは、ネットワークの設計、構築、試験、保守なども提供するという。

基地局の開設段階では、免許申請の書類準備や総務省への報告資料などの作成を支援し、ローカル5Gの円滑な導入を実現するとのこと。開設後は、無線の到達範囲や電波強度の測定などを実施し、運用後の構成変更に伴う免許の変更申請にも対応し、総務省が策定しているガイドラインに則ったローカル5Gの安定運用を支援するとしている。

また、2022年1月に東京都大田区のCTC平和島物流センター内にローカル5Gの技術検証が可能な専用スペースを開設し、商用環境の構築前に複数の構成で検証を行うことも可能とのこと。同社は同製品を、ローカル5Gサービスを提供する通信事業者やローカル5Gの導入を検討している製造業や建設業へ展開し、3年間で30社20億の売上を目指す。