SEMI傘下のElectronic System Design(ESD)Allianceが発表したElectronic Design Market Data(EDMD:電子設計市場データ)のレポートによると、2022年第3四半期の電子システム設計(ESD)ツール市場は、前年同期比8.9%増、前四半期比13.4%増の37億6740万ドルとなったという。
ESDは、半導体設計やプリント基板設計に用いられるEDAなどの設計ツールやIPやサービスを含んでおり、同四半期における最大カテゴリは半導体知的財産(SIP)分野で、その売上高は前年同期比1.0%減の13億6020万ドルとなったという。
また、CAEの売上高は前年同期比16.7%増の12億3120万ドル。ICの物理設計と検証分野の売上高は、同12.2%増の6億8740万ドル。そしてプリント基板およびマルチチップモジュール(MCM)分野の売上高は同15.6%増の3億4470万ドルとなっている。
地域・国別で電子システム設計製品およびサービスの調達額を見ると、米州が同8.5%増の16億2210万ドルと最大市場となっており、次いでアジア太平洋(APAC)が同16.3%増の14億5640万ドル。欧州・中東・アフリカ(EMEA)は同0.2%増の4億5100万ドルと、それぞれプラス成長を遂げているが、日本については、同8.5%減の2億3780万ドルと唯一のマイナス成長を記録。日本だけが他の地域と比べ新しい設計ツールを用いてシステム設計を行うことが減っていることとなっており、これは日本の半導体および応用製品業界にとって憂慮すべき事態であると考えられる。
なお、同レポートで調査対象としている企業のツールやサービスの利用者数は2022年第3四半期で同8.2%増、前四半期比1.8%増の5万5369名となったという。