「ChatGPT」が引き金となり、AIがいよいよ浸透する気配を見せている。Microsoftを共同創業したBill Gates(ビル・ゲイツ)氏はこれらのAIを「現時点で最重要なイノベーション」と述べ、「長期的には労働時間がさらに減少する」と予想している。
ゲイツ氏はドイツ・ベルリンで開催されたイベント「Europe 2023」で、Handelsblatt Disruptの編集長、Sebastian Matthes氏と対談した。
ゲイツ氏はAIによって雇用が脅かされるとは考えていないとし「教師や医師の仕事が減ることはないと思う」と予想した。
一方で、ChatGPTなどの対話型AIを活用することで、請求書や書簡の下書きなどの業務を効率化できることは認める。これらの業務は現在「あまりにも多くの計算を必要とし、しかも常に正確とは限らない」とゲイツ氏は述べたという。
そして、AIが繰り返し中心の業務を担うことから、人間はより重要な活動に集中できるとし、人々の労働時間は長期的に減少するとの見解を示した。
自身が創業したMicrosoftはChatGPTの開発元であるOpenAIと密な関係を構築しており、先に検索エンジン「Bing」への統合を発表したばかり。その前日にはGoogle(米Alphabet)も対話型AI「Bard」を発表した。
ゲイツ氏は2社の動きに言及しながら「簡単に理解する方法として、AIは音声認識や視覚認識はかなりのレベルになっていたが、読むことができなかった」という。
ChatGPTなどの新しいAIは新しい知識によって読み書きをトレーニングし、改善することができると流れを説明した。
同氏は、仮説としてMicrosoftの「Microsoft Teams」との統合を例に挙げ、AIが会話を追跡して、ミーティングをベースに関連情報を生成できるとした。
「今後、数年でAIはさらに良くするための進歩は非常に大きなものになるだろう」とゲイツ氏は述べている。
対談はGates氏の成功についても及んでおり「将来重要になる分野で、自分よりも専門知識を持つ人に囲まれる」ことが成功している人々の共通点だと述べたそうだ。
今回の報道は、ドイツのビジネス誌であるHandelsblatt Disruptと、米CNBCが報じている。