Google(米Alphabet傘下)がAIスタートアップのAnthropicに約4億ドルを投資する模様だ。「ChatGPT」を開発する米OpenAIは米Microsoftの投資を受けており、検索エンジン「Bing」で活用すると言われている。Googleはそれに対抗する狙いがありそうだ。
GoogleのAnthropicへの投資は、近い筋の情報として紹介したBloombergなど複数が2月4日に報じた。それによると、AnthropicはChatGPTのライバルを実験中だという。
Anthropicは、2021年創業のAIの安全性とリサーチにフォーカスした新興企業。CEOを務めるDario Amodei氏は、元OpenAIのリサーチ担当バイスプレジデントを務めていた人物だ。
同社は現在、AIアシスタント「Claude」の開発と実装を進めており「容易に信頼や理解ができ、Constitutional AIのような安全なテクニックを作成した」と説明している。
Constitutional AIはコーネル大学などで研究が進んでいる技術で、Anthropicは「Constitutional AIにより、わずかな原則と例文で、有害性の低い言語アシスタントをトレーニングできる」と優位性を説明している。
1月末には、New York TimesがAnthropicが3億ドルの調達が近いと報じていた。両者ともに投資についてはコメントしていない。
Google Cloudは2月3日、Anthropicと提携し、AnthropicがGoogle Cloudを優先クラウドプロバイダとすることを発表していた。Google Cloudは大規模な次世代TPUおよびGPUクラスタを構築し、AnthropicのAIシステムのトレーニングや導入を支援すると記している。
Anthropicも2月4日、「Claude」を含む自社AIシステムのトレーニングにGoogle Cloudを使うことを発表。CEOのAmodei氏は「次のフェーズに向けてGoogle Cloudと提携する。これにより、幅広い人向けのAIシステムを実装する」とコメントしている。
Google CloudのCEOを務めるThomas Kurian氏も「AIスタートアップのエコシステムが信頼性がありオープンなGoogle Cloudのインフラを活用して、ビジネスを構築する例」とツイートしている。
Today's announcement with @AnthropicAI is another great example of the ecosystem of AI startups leveraging Google Cloud's reliable and open infrastructure to build their businesses. https://t.co/VB2CjFTd88 pic.twitter.com/0vtxyS1Gta
— Thomas Kurian (@ThomasOrTK) February 3, 2023