Infineon Technologiesとレゾナックは1月12日、SiCパワー半導体に使用されるSiC材料について、新たな複数年の供給・協力契約を締結し、2021年に締結した販売および共同開発契約を補完・拡大することで提携関係を強化することを発表した。
この新たな契約に基づきレゾナックは、Infineonに対し、SiCパワー半導体の製造に必要なSiC材料を供給することとなり、今後10年間の需要予測のうち2桁のシェアをカバーすることになるという。
レゾナックは、初期段階では6インチ(150mm)のSiC材料を供給し、契約の途中からは8インチ(200mm)への移行もサポートする予定。また、今回の提携の一環として、InfineonはレゾナックにSiC材料技術に関する知的財産を提供するとしている。
Infineonでは、2030年までに市場シェア30%の獲得を目指し、SiCパワー半導体の製造能力強化を進めており、2027年までにSiCパワー半導体の製造能力を現在の10倍に拡大することを目指し、マレーシアのクリム工場に新棟の建設を進めている。この新工場は2024年後半に稼働予定となっており、稼働の際には年間20億ユーロの売り上げ増が見込めるとしている。
なお、Infineonのインダストリアルパワーコントロール(IPC)事業部プレジデントのピーター・バーウァー(Peter Wawer)氏は今回の契約締結について、「Infineonは、SiC技術と製品ポートフォリオへの投資を倍増させ、最も広範な製品ポートフォリオを顧客に提供します。レゾナックとのパートナーシップを通じて、市場をリードするポジションを一層強固にできることを大変うれしく思います」とコメントを発表。一方のレゾナックのデバイスソリューション事業部エグゼクティブアドバイザーを務める石川二朗氏も「レゾナックは、ベストインクラスのSiC材料を継続的に改良し、次世代の8インチウェハ技術を開発します。Infineonはそのための優れたパートナーであると評価しています」とコメントを述べている。