TDKは1月4日、米国を拠点とするベンチャー企業Qeexoの買収に合意したと発表した。
Qeexoは、2012年に米カーネギーメロン大学からスピンアウトして誕生したベンチャー企業であり、エッジデバイス向けエンドツーエンド機械学習の自動化を手掛けている。今回の買収合意に基づき、Qeexoは対米外国投資委員会(CFIUS)の承認など、通常のクロージング条件に従ってTDKの完全子会社となる予定である。
Qeexoのエッジデバイス向けエンドツーエンド機械学習ソリューション(AutoML)は、ノーコード(ノンプログラミング)環境を可能とし、データの収集と、ニューラルネットワークと非ニューラルネットワークの両方を含む異なる18種類(さらに拡張中)の機械学習アルゴリズムの同一データセットに対する学習を可能にし、それぞれのメトリクス(精度、メモリサイズ、レイテンシ)を生成することで、ユーザーが独自の要件に最適なモデルを選択できることを特徴とする。
クラウドベースのソリューションであり、ユーザーがセンサデータを収集、注釈付け、クレンジング、視覚化し、複数の異なるアルゴリズムを用いてtinyMLモデルを自動的に構築できるようにする直感的UIプラットフォームシステムを提供しており、このAutoMLプラットフォームにより、顧客はセンサデータを活用して、産業機器、IoT、ウェアラブル、自動車、モバイルなどのアプリケーションで、制約の多い環境下でも小メモリフットプリントで、低レイテンシかつ低消費電力に最適化した機械学習ソリューションを迅速に構築することが可能になるという。
なお、TDK米国本社のCEOであるジム・トラン氏は、Qeexoが有する専門性と、TDKのセンサ、二次電池、その他の製品に関する専門知識と組み合わせることで、幅広い用途や産業に対応するシステムレベルのソリューション構築が可能となる」と述べている一方、QeexoのCEOであるSang Won Lee氏は「当社のプラットフォームは数多くのMLアプリケーションの開発および展開を可能としてきた当社の歴史から生まれたものであり、MLの専門知識がなくても現実の世界の問題を迅速かつ効率的に解決できる。当社のAutoMLツールは、TDKが構築する優れたセンサシステムにぴったりのパートナーになると考えている」と述べている。