GaNパワーデバイスメーカーの米Transformは、中国本土での事業拡大に向けて深圳にGaNパワーデバイスのアプリケーションラボを含む販売・サービス拠点を開設したと12月1日に発表した。

新オフィスには、GaNベースの電力システムを開発している地域の顧客向けアプリケーションラボのほか、顧客サポート、販売、およびマーケティング活動の強化を担当するスタッフが配置され、すでに本格的活動を開始したという。同オフィスは、Transphormのアジアセールス担当バイスプレジデントであるKenny Yim氏が統括し、中国担当ゼネラルマネージャーも兼務するという。なお、プロセスの微細化とは縁遠いパワーデバイスは、米国の対中輸出規制対象にはなっていない。

富士通から買収した会津工場でもGaNデバイス製造

Transphormは現在、45Wから10kW超までのパワースペクトルに対応できる多様なGaNデバイスポートフォリオを、アダプターやコンピューティング、産業機器や自動車など幅広い市場に向けてGaN製品を供給している。米国カリフォルニア州ゴリータに本社を置き、本社工場と2021年に会津富士通セミコンダクターウェハーソリューション(AFSW)から買収した会津工場にてGaNデバイスの製造を行っている。

なお、Kenny氏は、「中国、香港、東南アジアには、高性能GaNを通じてパワーエレクトロニクスを発展させるいくつかのダイナミックな産業がある。深圳は、中国国内の主要なエレクトロニクス技術の中心地でもある。したがって、この都市で存在感を高めることは重要である。アプリケーションラボをがあることで、顧客をより適切にサポートすることができるようになり、GaNパワーデバイスを搭載した最終製品で世界市場を目指す中国顧客とウィン・ウィンの関係を築くことができるようになる」と述べている。