米Qorvoは、ウェハメーカーであるSK Siltronの子会社でSiCウェハを製造する米Siltron CSS(元DuPontのSiCウェハ製造事業部門)からSiCバルクウェハおよびエピタキシャルウェハを複数年にわたって購入する長期契約を締結したことを発表した。

同契約は、自動車市場で急増するSiC需要に対応するためのもので、米国内の半導体サプライチェーンの回復力を促進するものだとQorvoでは説明しており、顧客(自動車OEMやティア1)がQorvoの第4世代SiC FETソリューションを採用するにあたって、安定的に供給を受けられるという信頼感を提供することも目的としているという。

Qorvoは2021年、SiCパワー半導体メーカーである米United Silicon Carbide(UnitedSiC)を買収するなど、車載事業の強化を進めている。

一方のSK Siltronも、2020年2月末にDuPontからSiCウェハ開発・製造部門を買収。2021年9月には今後3年間で3億ドルを米ミシガン州の工場に投資し、電気自動車(EV)向けSiCウェハの製造および研究開発能力を増強することを公表し、積極的な販売活動を進めており、今回の長期契約はそうした両者の思惑が一致した形で実現されたものとみられる。