周期的な好不況が繰り返され、「シリコンサイクル」としてしられる半導体業界。半導体市場動向調査会社IC Insightsによると、これまでのサイクルを踏まえた経験から、IC市場は2023年第1四半期に底を打ち、2023年第2四半期以降、市場が回復することが期待されるという。
同社の調べによると、1970年代に、IC市場が連続して3四半期以上で前年同期比でマイナス成長となった期間はなかったが、1980年代と1990年代にはそれぞれ2回ずつ、2000年代と2010年代ではそれぞれ1回ずつ生じており、直近は2018年第4四半期~2019年第2四半期となっている。また、2001年の第1~3四半期の下落率は半導体史上最大で、2桁のマイナス成長が3四半期にわたって生じ、年間で前年比33%減という下落率を記録している。
IC Insightsでは、2022年第3四半期のIC市場成長率は同9%減(実績)、2022年第4四半期が同8%減の見込み、そして2023年第1四半期も同3%減と見ており、これが実際に生じると、同期間は半導体史上で7回目の3四半期連続のマイナス成長を記録することになるだろうと予測している。
なお、IC Insightsでは、IC市場が過去4四半期続けてマイナス成長となったことはないことを加味すれば、2023年第2四半期から回復傾向に転じることが期待されるとしている。また、米中の対立は、短期的なIC市場の成長シナリオにとって予測不可能な「ワイルドカード」になるともしているが、少なくとも2022年11月時点では、2023年第2四半期は同3%増のプラス成長になると予想している。ただし、2023年第2四半期からIC市場が回復したとしても、IC市場全体は2023年通年では前年比6%減とマイナス成長になるとも予測をしている。