Micron Technologyは11月16日(米国時間)、メモリ市況の悪化に対応して、DRAMおよびNANDウェハの生産投入量を前四半期(6-8月期)比で約20%削減すると発表した。

これらの削減は、現在生産しているすべてのテクノロジーノードの製品を対象としている。また同社は2022年9月に、半導体需要の減速により、設備投資を前年比で約30%削減することを明らかにしていたが、さらに追加の設備投資の削減にも取り組むとしている。

同社は、2023年(暦年通年)のビット供給量は前年比でDRAMがマイナス、NANDも同1桁%範囲になると予想するなど、2023年の市場は弱含むと見ている。そのため、サプライチェーン上の在庫改善に向けて、2023年はDRAMのビット供給を前年比で縮小する必要があり、NANDのビット供給の伸びも以前の見積もりよりも低くする必要があるとの見方を示している。

同社CEOのSanjay Mehrotra氏は、「在庫規模を過剰にせぬように供給の増加を抑えるために、大胆かつ積極的な措置を講じている。引き続き業界の状況を監視し、必要に応じてさらなる調整を行っていく」と述べている一方で、将来の見通しについて、「短期的な循環的な課題にもかかわらず、私たちは市場の長期的な需要の原動力に自信を持っており、長期的には、メモリとストレージの収益の伸びが他の半導体業界の成長を上回ると予想している」と希望的観測を述べている。

なお、同社は11月16日(日本時間)に、同社広島工場にて1β DRAMの生産開始を記念するセレモニーを開催したが、その祝賀行事が終わるのを待っていたかのようなタイミングで投資家向けに生産縮小の発表を行ったことになる。Sanjay Mehrotra氏は、同日広島で行われた記者説明会でメモリ/ストレージ市況について「新型コロナのパンデミックや、ロシアによるウクライナ侵攻、急激な世界規模のインフレなど、現在はマクロ経済の影響で需給バランスが崩れている。幅広い分野の顧客が在庫調整の時期に入っており、需要が減速しており、今は厳しい状況で、Micronはそうした環境に対応すべく、すでに対応を始めており、必要に応じてさらなる調整を行う。我々は需要に応じて供給を適切に調整することに注力しているが、需給バランスが正常に戻るまでには数四半期を要するだろう」と説明していた。