ここ数年で、よく耳にするようになったトレンドワードが「デジタルトランスフォーメーション(DX)」だ。「デジタルを活用した新たな価値創出」という概念に注目が集まっていたところに、コロナ禍によってデジタル化のニーズが高まったことが拍車をかけ、今やどこの企業でも日常的に飛び交う言葉となっている。一方で、DXという言葉がまだなかった頃から、デジタルを活用した変革に挑戦し続けてきた企業もある。

カシオ計算機も、そんな先駆者のうちの1社である。

同社のデジタルへの取り組みが開始されたのは20年以上前のことだ。1990年代後半には業務システムの標準化を進め、2000年代にはインフラを統合。2010年代以降はクラウドの活用やデジタルマーケティングの強化、データの統合と可視化などを進めてきた。

そして現在、コロナ禍を経て、同社はさらなるDXに取り組んでいるという。

10月4日に開催された「TECH+セミナー ネットワークDay 2022 Oct. クラウド時代の企業通信インフラ」にカシオ計算機 デジタル統轄部 統合プラットフォーム部 エキスパートの大熊眞次郎氏が登壇。同社が進めるDXの取り組みと、DXを支える基盤となる「ゼロトラストネットワーク」について語った。

革新に必要なのは「安定したインフラ基盤」

大熊氏が所属するデジタル統轄部は、DXを推進するために生まれた比較的新しい組織だ。部内にはユーザーと直接つながる「D2C戦略部」と、企業や事業の変革を推進する「エンタープライズシステム部」、そして大熊氏が参画する「統合プラットフォーム部」の3チームが存在する。

中でも、カシオ計算機のDXの土台を支えているのが統合プラットフォーム部だ。同社はDXの推進により、すでに多くの革新的サービスをローンチしているが、それらは安定したインフラ基盤なしには存在し得ない。

このインフラ基盤領域の構築――言わば「基盤領域のDX」を担うのが、統合プラットフォーム部なのである。

この記事は
Members+会員の方のみ御覧いただけます

ログイン/無料会員登録

会員サービスの詳細はこちら