先進半導体パッケージング市場は、2021年に374億ドルであったが、その後、年平均成長率(CAGR)9.6%で成長し、2027年には650億ドル規模にまで成長するとの予測を半導体市場調査会社である仏Yole Groupが公表した。
2027年の先進パッケージング市場は、フリップフロップが430億ドル、2D/3Dパッケージングが150億ドル、ファンアウトが40億ドル、ファンインWLPが30億ドル、埋め込みダイが2億ドルと予想されている。従来パッケージングと比べて、先進パッケージングの適用範囲は拡大し続けており、2027年までに全パッケージング市場の50%以上を占めるようになる見込みであるという。
2021年の先進パッケージングサプライヤ売上高トップは、OSAT(半導体後工程生産受託業)の台ASE(日月光半導体)で、その売上高は116億ドル規模(2018年に経営統合したSPILの売り上げを含むが、傘下の中国企業USIの売り上げは含まない)。2位はAmkor Technologyで、大分はじめ日本各地でも東芝、富士通、ルネサス、シチズンなどから買収した後工程工場を稼働させている。ちなみに日本の主要半導体企業は、後工程部門をAmkorはじめとする外資に売却したり閉鎖したため、ランキング上位に名前が出てくることはない。
半導体パッケージングは、半導体前工程の製造技術などの活用が進んでいることもあり、TSMCやIntel、Samsungなどの先端メーカー各社も投資を推し進めており、先進パッケージング技術の主要なイノべータに名を連ねている。
これら大手半導体3社ならびにOSATトップ3(ASE、Amkor、中JCET)の6社で、先進パッケージングウェハの80%以上を処理しており、2021年の内訳は、OSATが65%、ファウンドリが14% 、IDMが21%だという。
そのほか、サムスン電機(SEMCO)や台Unimicron、オーストリアAT&S、新光電気、イビデンなどのIC基板およびPCBメーカーも、先進パッケージング分野に参入を進めている。一方、OSATはテストの専門知識の拡大を図っており、従来の純粋なテストプレーヤーはパッケージングとアセンブリ機能への投資を進めている。全体としては、従来はOSATとIDMの領域であったパッケージング/アセンブリビジネスにパラダイムシフトが生じており、さまざまなビジネスモデル、ファウンドリ、基板/PCBサプライヤ、EMS/ODMプレーヤーが参入するようになっているという。
なお、先進パッケージングにおけるハイブリッドボンドやバンプI/O、ボールI/Oのピッチ幅、およびRDL(Redistribution Layer:再配線層)のラインアンドスペース間隔は毎年のように微細化が進んでおり、今後もさらなる微細化が進む見込みである。また、研究レベルでは、さらなる微細化の検討が行われており、半導体のさらなる高機能・高性能化の実現が目指されている。