Texas Instruments(TI)は、テキサス州リチャードソンのリチャードソン工場RFAB1棟(2009年に操業開始した世界初の300mmウェハ採用アナログICファブ、RFABのRはリチャードソンの略)に隣接して増設したRFAB2棟が9月末から初期生産を始めたと発表した。
TIにとっては6つ目の300mmファブとなり、本格生産開始までには数か月かかる模様である。
同社によると、RFAB2はRFAB1よりも30%以上大きく、2つのファブで合計63万ft2を超えるクリーンルームスペースとなるという。また、自動搬送システムが完全に構築されれば、15マイルの自動化されたオーバーヘッドウェハボックス(FOUP)によって2つのファブ間でウェハのやり取りをシームレスに行えるようになるとしており、2つのファブを一体運用させることで、運用効率と規模が向上し、顧客サポートを向上させることができるという。
また、フル生産時には、リチャードソン工場は、さまざまな電子機器に使用されるアナログICを1日あたり1億個以上製造することが可能になるとしている
RFAB1は、世界で初めてLEED ゴールド認証(エネルギーおよび環境設計のリーダーシップ)を取得したアナログ半導体工場であり、高いレベルの製造効率などを実現。RFAB2も同様の思想に基づいて構築され、LEEDゴールド基準を満たすように設計されているという。
このほかTIは、2021年にMicron Technologyより購入したユタ州リーハイのLFAB(Lはリーハイを意味する)について、今後数か月で初期生産を開始する予定としている。LFABはもともとMicron/Intelの3D XPointメモリ量産工場であったが、3D XPointメモリの生産中止・撤退に伴い、土地建物のみTIに売却された。
なおTIは、2021年にテキサス州シャーマンに最終的に4つのファブを建設することを発表しており、すでに最初の2つのファブの建設を開始。1つ目の工場は2025年の操業開始を予定している。このシャーマンへの総投資額は約300億ドルに達する可能性があり、3000人の直接雇用を生み出すという。TIはこうした新規ファブの建設を継続していくことで、将来にわたってアナログICの生産を継続的に増加させる長期計画を立てている。