Texas Instruments(TI)の日本法人である日本テキサス・インスツルメンツ(日本TI)は、最大3GHzの周波数帯域をサポートする高入力インピーダンス(Hi-Z)バッファ・アンプ「BUF802」を2月24日に発表した。
ASICベースの実装に代わる従来の代替設計では、FET(電界効果トランジスタ)、保護ダイオード、トランジスタなど、十数個以上のディスクリート部品が必要で、設計の部品表(BOM)コストの増加や、システムの複雑さの増大につながるうえ、ASICと同等の帯域幅は達成できないという課題があった。
BUF802は、各種ディスクリート部品の機能を統合すると同時に、FET入力型アンプより10倍広い帯域幅を実現し、カスタムASICに匹敵する性能を有するため、ASICベースまたはFET入力型アンプ・ベースの実装に代わるシングルチップの選択肢を提供可能だという。
また、さまざまな帯域幅と信号スイングの要件に応じて静止電流を調整できるため、100MHz~3GHzの範囲で1Vのピーク・ツー・ピーク(VPP)、最大2GHzで2VPPに対応できるとしている。
同製品は、複数の機能モードを内蔵しているため、BUF802はスタンドアローン・バッファとして使用することも、同社のオペアンプ「OPA140」などと組み合わせて複合ループ内で使用することも可能。BUF802をスタンドアローン・バッファとして使用すると、100mVのオフセットに対応できるアプリケーションや、信号チェーンがAC結合しているアプリケーションで、高い入力インピーダンスと高いスルーレートの実現をサポートするという。
なお、BUF802は、3mm×3mmの16ピンVQFNパッケージで提供されており、評価ボードの「BUF802RGTEVM」とともにTIのWebサイトから供給中だ。