昭和電工は9月7日、パワー半導体向けSiCエピタキシャルウェハ(SiCエピウェハ)として、国内メーカーとして初となる200mm(8インチ)サイズのサンプル出荷を開始したと発表した。

  • SiCエピウェハ

    昭和電工のSiCエピタキシャルウェハ(左が150mm、右が200mm) (出所:昭和電工)

現在、SiCパワー半導体は主に150mm(6インチ)のSiCエピウェハを用いて生産されているが、大口径化することで1枚のウェハからとれるチップ数が多くなるため、デバイスメーカーでの生産性改善や、それを通じたコスト低減が期待されている。

そうした市場ニーズを背景に、同社は2021年より200mm化の開発を本格化、今回、自社製200mm SiC単結晶基板(SiCウェハ)を用いたSiCエピウェハのサンプル出荷を行う体制が整ったと説明している。

「共創型化学会社」として、グローバル社会の持続可能な発展への貢献を目指し、エネルギー効率化を実現するSiCエピウェハを次世代事業と位置付けてビジネス拡大に注力している同社は、すでにSiCエピウェハの外販メーカーとしてトップクラスのシェアを有しており、今後はパートナー各社からのSiCウェハの調達に加え、自社製ウェハを用いた製品開発にも取り組むことで、200mm SiCエピウェハの生産拡大や安定供給体制の構築、品質のさらなる改善を目指すとしている。

なお、同社では2030年までにSiCエピウェハとその原材料であるSiCウェハの200mm化かつ欠陥密度を1桁以上低減することを目標に、新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)のグリーンイノベーション基金事業 次世代デジタルインフラの構築プロジェクトの研究開発項目の1つである「次世代パワー半導体に用いるウェハ技術開発」における、「次世代グリーンパワー半導体に用いるSiCウェハ技術開発」として研究開発を進めている。