富士通は8月9日、同社の新川崎テクノロジスクエアにある「FUJITSU コラボレーションラボ」をメディアに公開した。本稿では、これまで同社がパートナー企業と取り組んできた技術実証のデモンストレーションをレポートする。
パートナー企業との共創の場「FUJITSU コラボレーションラボ」
既報の通り、FUJITSU 5Gコラボレーションラボでは最先端技術に加え、パートナー企業との共創の場として位置づけ、日々技術実証を重ねている。
富士通 グローバルソリューション ネットワーク&セキュリティサービス事業本部 5G Vertical Service事業部シニアディレクターの上野友行氏は「5Gを活用したDX(デジタルトランスフォーメーション)の実現に向けてはテクノロジーサービス、業種ナレッジを統合したVertical Serviceが必要だ」と話す。
同氏が言及したVertical Serviceとは、製造や流通、小売、ヘルスケアなど業種ごとに特化した機能を持つサービス。
同社では、2020年10月から接続検証プログラムとソリューション共創プログラムで構成した「ローカル5G パートナーシッププログラム」を開始しており、8月9日時点でパートナー企業30社と共創を進めている。
パートナーとの共創を念頭に置いた施設でさまざまな実証
ラボは2020年3月に国内初の商用ローカル5G無線局免許を取得して開設し、5G/ローカル5Gや映像AI、エッジ&クラウド技術者などが常時在籍しており、パートナー企業のソリューション共創、PoC(概念実証)検証を計164件実施。
ラボ内の検証用設備は、ローカル5Gシステムが3システムとして、Sub6(3.7GHz/4.5GHz)-SA(サブ6スタンドアローン)、mmW-NSA(28GHz、ミリ波ノンスタンドアローン)、同社がスモールスタート向けに提供しているスターターキットが稼働。
キャリア5Gはドコモの3.7GHz帯、4.5GHz帯、28GHz帯を使用。エッジコンピューティングサーバを搭載したラックを設け、データを活用や接続性を確認するためにWi-Fi、インターネット、クラウド環境を用意している。