米Ivantiは7月22日(現地時間)、「従業員のデジタル体験(DEX: Digital Employee Experience)」の調査結果を発表した。同調査は組織におけるDEXの優先順位と採用度、従業員の日々の業務体験を明らかにすることを目的に行われたものだ。同社は米国、英国、フランス、ドイツ、オランダ、日本、中国、オーストラリアの1万人以上(従業員8149人、IT担当者1708人、経営幹部849人)を対象に調査を実施した。

同調査から、報道関係者向けに一部公開された日本の回答者に焦点を当てた調査結果を紹介する。なお、日本の回答者数は1347人となり、内訳は従業員が1028人、IT担当者が214人、経営幹部が105名となる。

「どの程度、リモートで仕事していますか?」の問いに対して、日本の回答者のうち「0%-フルタイムで出社」と回答した人の割合は44%となり、調査対象国の中で最も多い結果となった。2021年の調査ではコロナ禍による急速なリモートワークの普及が示されたことから、同社はオフィス勤務回帰の傾向が表れていると分析する。

  • 「どの程度、リモートで仕事していますか?」の問いの回答結果、出所:米Ivanti

    「どの程度、リモートで仕事していますか?」の問いの回答結果、出所:米Ivanti

「テクノロジーとの関わり方がやる気にどの程度影響していますか?」の問いに対して、日本の回答者のうち「ポジティブに影響している」(大きく影響していると、まあまあ影響しているの合算)と回答した割合は、従業員が50%、経営幹部が54%、IT担当者が60%となり、他の調査対象国と比べて最も低かった。経営幹部が主体的に取り組まないとDEXの向上は図れないため、同社はテクノロジーを取り入れた業務設計が苦手な経営幹部が、その仕組みを構築できないことに問題があるとも言えると結論づけた。

また、「組織が提供するデジタルツールや環境に不満を感じたことありますか?」の問いに対して、日本の回答者のうち経営幹部の70%は不満を感じていないのに対して、従業員やIT担当者は、40%以上が何らかの不満を感じていると回答した。この調査結果から、同社は経営幹部と従業員とでデジタルツールや環境面に対する認識にギャップが生じていることがわかる、と指摘した。

  • 「組織が提供するデジタルツールや環境に不満を感じたことありますか?」の問いの回答結果(経営幹部)、出所:米Ivanti

    「組織が提供するデジタルツールや環境に不満を感じたことありますか?」の問いの回答結果(経営幹部)、出所:米Ivanti

  • 「組織が提供するデジタルツールや環境に不満を感じたことありますか?」の問いの回答結果(従業員)、出所:米Ivanti

    「組織が提供するデジタルツールや環境に不満を感じたことありますか?」の問いの回答結果(従業員)、出所:米Ivanti

  • 「組織が提供するデジタルツールや環境に不満を感じたことありますか?」の問いの回答結果(IT担当者)

    「組織が提供するデジタルツールや環境に不満を感じたことありますか?」の問いの回答結果(IT担当者)、出所:米Ivanti