NTTデータとSAPアジア・パシフィック・ジャパンは7月12日、サプライチェーン保険管理を強化するパッケージソリューション「Connected Product」を発表した。同ソリューションは、輸送中の貨物の位置と輸送状態を監視するソリューションで、「SAP Business Network for Logistics,Global Track and Trace Option」をベースに、NTTデータのスマート保険ポリシー管理ソリューションを活用して拡張開発したものとなる。

  • 「Connected Product」の活用イメージ図

    「Connected Product」の活用イメージ図

同ソリューションを利用して輸送状況をリアルタイムにエンド・ツー・エンドで監視し、貨物に影響を及ぼす可能性がある変動要因を捉えることができる。貨物が事前に定められた条件で輸送されていない場合は、自動的に保険ポリシーの適用対象とすることも可能だ。また、各利害関係者間の責任範囲を明確にし、出荷および保険に関する書類をデジタル化することで、サプライチェーン全体にわたるトラッキングと保険の一連の手続きを簡素化できるという。

同社によれば、ソーラーパネルなどの壊れやすいもの、ワインやオリーブオイルなどバルク輸送の液体、チーズや医薬品またワクチンなどの温湿度管理が必要な品物の追跡に同ソリューションが有効だという。

現在、日本・ドイツ・スペインのNTTデータとSAPのConnected Productチームが、パートナーであるスペインの物流会社やドイツの保険会社と共同で同ソリューションを活用した実証実験を実施している。同実証実験では、IoTセンサーによって収集したデータを基に、貨物に重要な条件である温度・光度・衝撃(値)などが輸送中に維持されていることを確認している。2022年9月まで実証実験を実施した後、NTTデータによって国際的な保険・物流会社向けに同ソリューションを提供する予定だ。