英Armは6月29日、「TCS(Total Compute Solution)」に基づき、新たなCPUやGPU、周辺IPなどを発表した。この発表を行ったPaul Williamson氏(Photo01)によるオンラインでの説明会が同日開催されたので、その内容をお届けしたい。

  • SV兼&GM, Client Line of BusinessのPaul Williamson氏

    Photo01:SV兼&GM, Client Line of BusinessのPaul Williamson氏。かつて一度どこかでお会いしたような記憶があるのだが、どこでお会いしたのかさっぱり思い出せない。2019年まではEmerging Business Group、その前はIoT device IPのそれぞれVP兼GMだったので、多分このあたりの頃だったと思うのだが……

Armは近年、単にプロセッサのIPとかだけでなく、SoCの構築に必要なIPとSoftware stackをまとめて提供するSolutionの提供に舵を切っており、例えばIoT向けには昨年10月にTotal Solutions for IoTを提供開始しているが、モバイル向けにも同じようなSolutionの提供を開始している。それがTCSであって、TCS21に基づいて設計されたものが例えばMediaTekのDimensity 9000である(Photo02)。

今回はこの後継として、TCS22に準拠するIPを多数発表した。まずCPU側では「Cortex-A715」と「Cortex-X3」、それと「DSU-110」である(Photo03)。

  • Cortex-A510そのものはTCS 2021から継続

    Photo03:Cortex-A510そのものはTCS 2021から継続であるが、5%消費電力削減がプロセスの微細化によるものか、その他の要因によるものかは不明

ここでCortex-X3は従来比(おそらくはCortex-X2比)で25%、Main Stream Laptop向けCPU(これは恐らくIntelのCore Uシリーズあたりだろう)と比較して34%性能が向上している、としている。またPhoto03に戻ると、Cortex-A715はCortex-A710と比べて、20%以上の性能/消費電力比の向上としている。型番を変えたあたり、単にプロセスの微細化によるもの以外に何かしらの省電力機能が投入されたものと思われる。

  • “IPC”が向上しているのか、“トータルでの性能”が向上しているのか

    Photo04:“IPC”が向上しているのか、“トータルでの性能”が向上しているのかは非常に判り難い。恐らく両方だとは思うのだが……

また一番大きいのはDynamIQで管理可能なコア数が最大12まで増えた事だろう。DSU-110自身は2021年にTCS21が発表になった時にすでに名前は挙がっていたが、今回これが12コアまでのCPUコアを管理できるようになったと説明された。長らくDynamIQはbig.LITTLEとの互換性を保つ意味で最大コア数が8コアに制限されていたが、この制限が撤廃された訳だ。