米国商務省は、台湾に本拠を置くシリコンウェハ(結晶成長・加工)メーカーであるGlobalWafersが米国テキサス州シャーマンに、大規模な300mmシリコンウェハ製造工場の建設(敷地面積320万平方フィート)を2022年後半にも始める計画であることを発表した。商務省は、同省の要請に応じてASMLが米国への投資を拡大することを決めたことを先だって明らかにしていたが、今回、さらにGlobalWafersが誘致に応じたことを明らかにした形となる。

このような個別企業の誘致成功を商務省として公表し続けるのは、半導体補助金支給法案の審議が進んでいない連邦議会に圧力をかける目的があるとみられている。ジーナ・レモンド商務長官は、「米国内に川上から川下に至る半導体サプライチェーンの構築を図るうえでGlobalWafersの進出は極めて重要な一歩になる」とコメントしている。商務省は、ASML、そして今回のGlobalWafers誘致で終わりにするつもりはなく、さらなる半導体関連企業の誘致を日本含め、各国の企業に対して進めていく模様である。

このグリーンフィールドへの投資は、GlobalWafersが今年2月6日に発表した合計1,000億NTドルのブラウンフィールド/グリーンフィールドの拡張の一環であり、市場の需要に合わせて、結晶引き上げ・加工装置に関する複数段階の投資の後、最終的に月産120万枚の300mmウェハを生産する計画としており、約1,500人の雇用を創出することが期待されている。