米国内では、GlobalFoundries(GF)、Intel、Samsung Electronics、Texas Instruments、TSMCといった企業が300mmウェハ対応工場の新設を相次いで発表しているが、そうした米国の半導体工場に投じられるウェハのほとんどは現在、日本(信越半導体ならびにSUMCO)やその他のアジア(GlobalWafers、韓SK Siltron、独Siltronicのシンガポール法人)で製造されており、米国の半導体業界は日本を含むアジアから輸入されたシリコンウェハに依存することを余儀なくされていることから、今回のGlobalWafersの米国投資は、米国独自の半導体サプライチェーンのギャップを埋める点で重要だと米国商務省は述べている。

なお、GlobalWafersは台湾に本拠を置き、9か国に17の製造および運営拠点を有する多国籍企業で、業界3位のポジション。日本にも、グローバルウェーハズ・ジャパン(新潟県)とエム・イ―・エム・シー(栃木県、GlobalWafers 傘下の米MEMCの宇都宮工場)がある。すでに同社は米テキサス州シャーマンに完全子会社のGlobiTechを有しており、電力および電気自動車(EV)市場セグメントに焦点を当てたSiC素およびシリコンエピタキシャルウェハの製造を行っているほか、ミズーリ州セントピーターズに200mm SOIウェハ工場も有しており、急成長する無線周波数(RF)市場への対処を目的に300mm化への拡張を進めているとしている。