TSMCが6月16日に米国シリコンバレーで開催した同社のプライベートイベント「2022 North America Technology Symposium」において、ナノシートGAAトランジスタを搭載した最新世代のプロセスとなる「N2(2nmプロセス)」および、3nmプロセス「N3」とその改良版である「N3E」プロセス向けの「TSMC FINFLEX Technology」(一般にはFinFETと呼ばれる技術に関する同社独自の呼称)について紹介した。

  • TSMCのロジックプロセステクノロジーのロードマップ

    TSMCの7nmプロセス(N7)から2nmプロセス(N2)に至るロジックプロセステクノロジーのロードマップ (出所:TSMC, 2022年6月)

N3/N3E用「TSMC FINFLEX」は2022年後半に量産開始

「N3」は2022年後半の量産開始予定だが、同社では設計者に比類のない柔軟性を提供する「TSMC FINFLEXアーキテクチャ」が特徴だとしている。TSMC FINFLEXは、高性能を実現する3-2フィン構成、高い電力効率とトランジスタ密度を実現する2-1フィン構成、これら2つの間のバランスを提供する2-2フィン構成を備えたさまざまな標準セルの選択肢を提供することで、必要なパフォーマンス、電力、および面積の目標に最適化されたフィン構成を実装することで、ニーズに合わせたSoCの設計を可能とするというものとなるという。

2025年の生産開始を目指すN2

次世代プロセスとなる「N2」は、N3と比べて同じ電力であれば10〜15%の速度向上、同じ速度であれば25〜30%の電力低下を実現するという。

従来のFinFETではなくナノシートGAAトランジスタアーキテクチャを採用することで、パフォーマンスと電力効率の改善を実現するという。N2のプラットフォームには、モバイルコンピューティングベースライン版と高性能版に加えて、チップレット統合ソリューションが含まれており、2025年より生産を開始する予定だとしている。