半導体市場動向調査会社である米IC Insightsは、2021年のアナログIC企業売上高ランキングトップ10を発表した。
このランキングは、汎用アナログコンポーネント、ミクスドシグナルアナログ、および少なくとも50%のアナログ回路を備えた特殊用途のデバイスの売り上げを含むもので、IC Insightsでは、「デバイス内の集積回路の総ダイ面積の少なくとも50%がアナログ回路で占められている場合、デバイスはアナログとして分類される」というWSTS(世界半導体市場統計)による定義に沿ったものだという。
上位10社の国籍を見ると、6社が米国、3社が欧州、そして日本が1社(ルネサス エレクトロニクス)となっている。2021年のアナログIC市場は前年比30%増の739億ドルで、そのうち上位10社の売上高合計額は68%に相当する504億ドル。中でもSkyworksとNXP Semiconductorsは前年比で4割以上の成長を遂げるなど、高い成長率を見せた。
売上高トップはTexas Instruments(TI)で、市場シェア19%の141億ドル。IC Insightsの調べによると、TIのアナログ関連の売上高は、全体売上高163億ドルの86%、半導体売上高の81%を占める規模だという。
2位はAnalog Devices(ADI)で、2021年のアナログICの売上高は同21%増の94億ドル(シェア13%)。同社は2021年8月にMaxim Integratedを280億ドルで買収完了しているほか、2017年にはLinear Technologyも買収しており、幅広い分野に幅広い製品を提供する体制が構築されている。そのため、売上高の最終用途別割合は産業用が50%、自動車用が21%、通信用が15%、消費者用が14%となっている。
3位はSkyworks Solutionsで、売上高は前年比49%増の59億ドル(シェア8%)。同社は、ハンドセットとスマートフォン用フロントエンドモジュール、パワーアンプ、ワイヤレスインフラストラクチャ用のSiPおよびSoCデバイス、電力管理チップ、高精度アナログコンポーネント、Wi-Fi接続モジュールとIC、およびZigBeeとBluetoothアプリケーション用スマートエネルギーICなどで強みを発揮しており、同年の最大顧客はAppleで、売上高の59%を占めたという。