TrendForceによると、2022年第1四半期におけるスマートフォン(スマホ)の生産量は前四半期比12,8%減、前年同期比10.1%減の3億1000万台にとどまったという。また、2022年第2四半期も、ロシアのウクライナ侵攻、世界的なインフレ、中国の都市封鎖などの影響から、消費減退が進み、スマホの生産量は前四半期でほぼ横ばいとなる3億900万台程度となるとみられるが、世界情勢次第では下方修正の可能性もあるとしている。

  • 2022年第1四半期および第2四半期の世界スマホサプライヤ生産台数ランキングトップ5

    2022年第1四半期(実績)および第2四半期(予測)の世界スマホサプライヤ生産台数ランキングトップ5 (出所:TrendForce)

スマホ売り上げトップはSamsung

同四半期の生産量トップはSamsung Electronicsで7380万台。4Gローエンドプロセッサチップの供給緩和と新機種となるGalaxy S22の発売が後押しした結果だという。また、2022年第2四半期は、同社はスマホの主要生産拠点を中国ではなく、ベトナムとインドに設置している関係から、中国のゼロコロナ政策に起因するサプライチェーンの混乱や中国内の需要の変動に左右されない体制を構築しているが、ロシアのウクライナ侵攻に伴うロシア向け製品の出荷停止やインフレなどを背景に、生産量は低下するものとみられるという。

AppleのiPhone 14は、Proシリーズだけ新型チップを採用か?

2022年第1四半期の生産量2位はAppleで、iPhone 13シリーズおよびiPhone SE(第3世代)が好調で、6000万台に達したという。第2四半期については、ロシアのウクライナ侵攻に伴うロシアでの販売停止や中国の都市封鎖の影響があるが、もともと旧モデルから新モデルへの移行の端境期にあたり、年間でもっとも低い生産量となるため、その流れそのものには変化がないとみられるとしている。

ちなみにAppleが下半期に発売すると見られる次世代モデル「iPhone 14シリーズ(仮)」について、TrendForceでは4モデルが発売されると予測。注目すべき点は、これまでとは異なり、ハイエンドのProおよびPro Maxシリーズにのみ、最新世代のA16プロセッサ(TSMCの4nmプロセス「N4」を採用)が搭載されると見ていることである。Proがつかない残りの2モデルには従来同様のA15プロセッサ(TSMCの5nm改良プロセス「N5 plus」採用)が搭載される。ほかにもPro/Pro MaxシリーズはLPDDR5 DRAMと48MピクセルのCMOSイメージセンサ(ソニー製)が搭載されると見られるとしている。

  • 2022年秋に発売されると予想されるApple iPhone 14シリーズの仕様予測

    2022年秋に発売されると予想されるApple iPhone 14シリーズ(仮)4機種の仕様予測 (出所:TrendForce)